和紙作りと技術:刃物
このブログシリーズについて
「伝統手漉き和紙からのメッセージ」
伝統手漉き和紙作りでは原料栽培以降も数種類の刃物を使います。収穫の時、長さを揃えるとき、原料を処理するときなど、工程に応じた別々の刃物を使います。
収穫の際の鎌は、刃の短い専用の鎌を使います。
枝打ちは普通の鎌を使います。原料になる本枝の皮を傷つけないようにします。
枝打ちの後、蒸すのにちょうどいい長さに切りそろえるのが押し切りです。
このちょうどいい長さは、産地や工房によって違うのですが、かみこやでは110cmに揃えます。これはその後の工程での原料の扱いやすさと、中の木の部分は薪を薪にするため、切らずにそのままカマドに入る長さです。
それから、原料の表面を落として白い原料にするヘグルという作業でも刃物を使います。かみこやではこのような包丁を使います。
下の動画で分かるように、原料の皮は外側から黒い部分、緑色の部分、白い部分と3つの層に分かれていて、どのような紙作りたいかによってどの程度ヘグルかを決めます。
その後、煮熟の前にもう一度原料を見直して、小さい傷や黒皮など目的の紙に不適切な部分を取り除きます。見直しで使われる包丁はこちらです。