森の中の山の景色

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自動的に生成された説明

もったいない!

和紙の原料として三椏を栽培していなくても、苗を植えてから2回目の冬には、各株に最低1本だけ残して残りの枝は刈り取って下さい。そうすることで、次の春に芽がたくさん出て、丈夫に育ちます。

その時に刈り取った三椏はどうしますか?最高の紙の原料の一つ、日本の文化にずっと寄り添ってきた素材、自分で育てた三椏がそこに転がっていれば、和紙、漉いてみますよね?

道具は揃っています

そうは言ってもやり方は分からないし、道具もない、経験もないと思いましたか?大丈夫です、できます。

作り方はこの冊子で解説しますし、道具は家庭のキッチンによくある物で考えました。手漉き和紙作りは本当に奥が深いですが、紙にすること自体には職人技は要りません。綺麗な三椏の繊維に任せて、気楽に手作りを楽しんで下さい。

三椏の和紙作りのステップは、簡単に書くと次の通りです。

1,三椏の皮を剥ぐ

2,煮る

3,洗う

4,叩く

5,濾す(漉く)

6,干す

手漉き紙の世界へようこそ

シンプルな手作業の積み重ねだからこそ、作る人の考えていることや技術が仕上がりに直接反映します。そこが手漉き和紙の面白いところです。

この説明書には、各工程の「分量」や「所要時間」についてはほとんど書いていません。どんな紙をどういう風に作るかによって変わってくるからです。各工程をきっちり徹底的にやれば均質でピシッとした紙に、サッとやれば表情の強い紙になります。

正解はないので、気が向くままに作業をして自分の感覚を再発見して下さい。

用意するもの

ゴム手袋

選定ばさみ、ノコギリ、鎌など

深い鍋(蒸す用)

ステンレスか鉄の鍋(煮る用)

包丁

ザル

ボール

まな板

麺棒

ハンカチ

漉き枠(ザル、フルイ、市販品、など)

オクラ

消石灰

漉き枠

手軽に漉いてみたいときは、ザルやフルイなどでできます。何枚も漉いたり、四角いちゃんとした形の紙が漉いたりしたい場合は、市販品の漉き枠をご用意することをお勧めします。

消石灰

消石灰を扱うときはゴム手袋をして、目に入ったり吸い込んだりしないようにお気をつけ下さい。消石灰で煮るときに使う鍋は、汚れる可能性があるので、お気に入りの鍋は使わないで下さい。なお「生石灰(せいせっかい、きせっかい)」は水に触れると熱が発生する別の石灰ですので、必ず「消石灰(消石灰)をお使い下さい。」

所要時間

刈り取りから紙漉きまで一気に作業を進めると、4日目に紙が仕上がります。あるいは1日目の作業で干して、原料として保管することもできます。紙漉きの予定が無くても、1日あれば原料を作れます!

1日目

刈り取り

12月に枝を根本から刈り取ります。和紙の原料に適しているのは、3年~5年ものの枝(枝分かれが2~4つ)です。株の中からちょど良い年数の枝を根元で、鎌や剪定ばさみ、ノコギリなどを使って切ります。

切り口がボロボロになっていると株がダメになる場合があるので、そうなった場合はナイフなどで切り口を綺麗にします。

苗を植えてから2回目の12月には、枝の年数に関係なく株ごとに1~2本だけ残して全ての枝を刈り取って下さい。

蒸す

刈り取った枝を蒸します。鍋に4分の一ほど水を入れて沸かし、鍋に入る程度の長さに切った三椏の枝を入れて蓋をして、弱く沸騰が続く程度の火加減にして30分ほど蒸します。

空焚きにならないように、水が減ったら足して下さい。

剥ぐ

皮が柔らかくなったら、皮を捻って枝から剥ぎ取ります。冷めると剥ぎにくくなるので、手袋をしてでも熱いうちに剥いで下さい。

皮がなかなか枝から剝がれないときは、煮る時間を長くしてください。

へぐる

皮の外側の黒い部分をのけます。簡単に取れる皮は指で剥がして、しっかりとくっついているのは包丁やナイフでこそぎ落とします。白い皮が原料です。

黒い皮は通常捨てられますが、乾燥させてとっておいて、漉く直前に混ぜてアクセントにすることができます。

保管(乾燥)

すぐに紙を漉かない場合は、ここで乾燥させて保管します。1本ずつ物干し竿にかけたり、洗濯ばさみで釣ったりするなどして、干します。カリカリになるまでしっかり乾燥させたら、湿気のすくない環境で保管します。

すぐに紙を漉く場合は、乾燥させずに次の「煮る」に移ります。

煮る

(乾燥させて保管してある原料を使う場合は、一晩原料を水に漬ける。)

原料を鍋に入れて原料がかぶるまで水を入れる。なお沸騰させるので、水が鍋の上から四分の一より低くなる鍋を使う。

乾燥原料の重さの20%(乾燥させずにそのまま使う場合は、原料の15%)の重さの消石灰を入れて混ぜる。例:原料100gの場合は消石灰15g~20g

沸騰するまで強火で加熱し、その後もしっかりとした沸騰状態の火加減で90分煮る。似ている途中でまんべんなく煮えるように、途中で2~3回混ぜる。

90分煮たら火を止めて冷めるまで一晩置く。

2日目

洗う

煮た原料をザルに上げる。煮汁は捨てても良いが、三椏を近くに植えている場合は水やりに使うと良い。

原料をザルごと水を張ったボールや鍋に入れて、水を流しながら消石灰をしっかりと洗い流す。

晒す

原料をザルごとボールにつけて、流水で24時間程度晒す。原料が流れないようにザルの淵が水面より高くなるように設置する。

ネリの準備

オクラを千切りにする

水に浸して冷蔵庫に寝かす

3日目

叩く

原料を叩いてほぐします。

原料の入ったザルを水の中から引き上げ、原料を集めて水分を絞る。絞り具合は「ギュッと握るとじわっと水分が出てくる」程度。

叩く:道具

台:まな板、テーブルの上に直接、など平らで割れない場所

棒:麺棒、まな板の厚みの面、など多少重みがあってまっすぐな木の棒

叩く:叩き方

  • 同じ場所を4回叩く。
  • 叩くところを棒の幅だけ横にずらして進む。

叩く:水分量

・原料が飛び散る場合は、水分が多すぎか、叩くのが強すぎる。

・いくら叩いても原料が広がらない場合は、水分が少なすぎるか、叩くのが弱すぎる。

・少し固めから初めて、ちょっとずつ水を足していくと良い。

叩く手順

上記①と②の叩き方で3往復叩く(1セット)

1セット叩いたら、広がった原料をまとめてひっくり返して、少し水を足す。これを繰り返し、ひとまず3セット(3往復を3回)叩く

叩いた原料のうち一つまみをボールの中で水に溶かして、強く混ぜて叩き具合を確認する。原料のカタマリが多い場合は、綺麗にほぐれるようになるまで叩く。

こぶり(あく抜き)

叩いた原料を、ボールの中で水に溶かし、ザルで濾す。これを3回繰り返す。

ネリをつくる

冷蔵庫からオクラ水を取り出し、ハンカチなどで濾す。ボールにハンカチをかぶせたザルを入れ、そこにオクラ水を流しいれる。

ボールにとれた粘液がネリ。オクラは醤油と鰹節をかけて食べる。

紙を漉く

あくを抜いた原料と水をボールの中でしっかりとしっかりと溶かす。そこにネリを少し加えてまた溶かす。

漉き枠を濡らす(市販品、ザル、フルイ、ハンカチなど)

枠に好みの厚さになるまで原料を流し入れる。

干す

網に直接すいた場合は、そのまま乾燥するまで置いておく。

ハンカチに漉いた場合は、ある程度水分が引いたらそーっと持って平らなところに置いたタオルの上に置き、タオルで水分をとって、タオル掛けなどにかけて乾かす。

失敗した場合

漉きや乾燥で失敗してもやり直すことができる。水分が少し引くのをまって、原料をつまむように持ち上げながらペタペタとすると原料を集めることができる。もう一度水にしっかりと溶かすと、漉きなおすことができる。原料を集めるときに、こすると原料が網の目に引っかかって取れにくくなるので、必ずぺたぺたと集める。

4日目

剥がす

紙がしっかりと乾いたら、ふちから少しずつ剥がして完成。

使う

紙の使い方は無限大です。絵を書いたり字を書いたりすれば、市販の工業用紙にはない雰囲気が作品の仕上がりを個性的にしてくれます。紙を漉くときに、間に草花を漉きこんだりすればそれだけで作品になります。紙の精度が上がれば、プリンターに通して写真を印刷することもできます。

練習にリサイクルぺーパー作り

紙漉きが初めての場合は、三椏の原料で漉く前に、以下の動画を参考にしてリサイクルペーパーを漉いてみることをおすすめします。原料は違いますが、手すき紙のポイントは共通しているところがありますので、原料がいくらでもあるリサイクルペーパーで練習をして下さい。

今すぐアーティストになる方法。台所の道具でリサイクルペーパーを作る(その1)

お問合せ下さい

手漉き和紙を作るのは、意外と手軽にできるということをお伝えしたくてこの冊子を作りました。でも、奥がとても深いのも事実です。なので実際にやろうとすると分からないことや聞きたいことがたくさん出てくると思います。そんなときはどうぞお気軽にお問合せ下さい。私は本当にあなたに紙漉きをやってもらいたいと思っています。

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